Windows 8.1では、スタートボタンが復活することをマイクロソフト自身が公式にアナウンスしました。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1305/31/news048.html
スタートボタンが復活するだけでなく、起動時にスタート画面でなくデスクトップ画面が表示されるオプションがあるなど、従来のWindowsっぽい動きになるそうです。
私自身は、Windows 8を使い始めて10ヶ月。結局、スタートボタンのない環境に完全には適応できませんでした。フリーソフトの「Classic Shell」を入れて「スタートボタン」もどきを復活させ、起動時にはスタート画面でなくデスクトップ画面を表示させて使っています。そんな私の使い方がWindows 8.1で正式に採用されるのなら、こんないいことはありません。
それならなぜ最初からやらないのか…という恨み辛みはあるモノの、こうなることは、ある程度予想が出来ました。過去の日記で書きましたが、Windows 8開発の総責任者であるシノフスキー氏が、マイクロソフト辞めたからです。
http://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1212/26/news036.html
http://bylines.news.yahoo.co.jp/masakazuhonda/20121114-00022430/
実は、シノフスキー氏は、Officeの画面からメニューをなくし、リボンユーザーインターフェースを導入した張本人で「やる時はやる」人物だったそうです。
http://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1205/08/news027.html
この記事を始めて読んだ時、自分の中で何となく合点がいく感じがしました。Windows 8と、Officeのリボンインターフェースには、私の中で妙な共通項があったのです。それは、「過去の知識が全く通用しない変革」という共通項が。
今までOffice 2003を使っていた人は、「あの機能はこのメニューのこの辺」と、アナログ的に場所を覚えていたはずです。でもリボンインターフェースになって、メニューそのものがなくなったのですから、最初はそれはそれはたまげました。
昔懐かしOffice2003のメニュー
Office 2010のリボンインターフェース
同様にWindows 8も「あの機能はスタートボタンを押したメニューのこの辺」と覚えているのに、その出発点がなくなってしまうのだから、呆然とする人が多いのは当然です。Windows XPとOffice 2003以前を使っていた人が、Windows 8とOffice 2010に乗り換えた日には、相当なストレスを感じるはずです。そして相当な怒りが湧いてくるのではないでしょうか。私自身がそうでした。どうぞ、お読みください、私のホットな怒りを(笑)。
http://ofisukkiri.seesaa.net/article/260457813.html
この怒りの源泉は、やはり「過去の知識が全く通用しない変わり方だから」ではないでしょうか。例え何かしらの変化があっても、「過去の知識が多少は通用する」のならば、怒りまでは湧かないはずです。
ちなみに、今度のWindows 8.1でスタートボタンが復活するとは言っても、画面の左下にスタートボタンらしいものがあるだけで、それを押すとスタート画面が表示されるだけだそうです。
http://japanese.engadget.com/2013/05/29/windows-8-1-blue/
スタートボタン復活というのは、笑っちゃうほど「小手先の変更」ではありますが、私はこれを歓迎したいと思います。なぜなら「過去の知識が役に立つ」から。
Windows 8.1では、「最初はスタートボタンを押す」という「過去の知識」が使えます。なぜなら、スタートボタンのあった位置に、スタートボタンもどきがあるから。そしてスタートボタンもどきを押せば、スタートメニューもどきのスタート画面が表示されます。この一連の流れを見れば、大抵の人は、
スタートメニュー≒=スタート画面
と認識するはずです。この認識は実はあまり正確とは言いがたいのですが、日常業務をするのには、この認識で一向に差し支えありません。そのことがとても重要だと思うのです。本当の違いは後日徐々に学んでいけばいいだけのことです。
自分がお客さんにWindows 8.1の操作についてお教えする場合でも、
「まあ早い話、スタート画面ってのは、以前のスタートメニューみたいなものですよ。全画面表示されるからうざく感じるけれど、一覧表示されるアイコンの数が多いから、目的のモノを探すのはかなり楽になりますよ」
とでも言えば、お客さんも「そうか」と合点して頂けるのではないでしょうか。少なくとも、Windows XPやWindows 7を使っていた人が、Windows 8.1を使っても、怒りまでは覚えないと思います。一にも二にも「過去の知識が役に立つ」から。
開発者の側として、ユーザーインターフェースを大きく変えたくなる気持ちは、とてもよく分かります。過去のしがらみを一切無視して、ゼロからインターフェースを作れたらどれだけ素晴らしいか。しかし「過去の知識が約立たない」と、お客さんは怒りを覚えます。変えるなら「過去の知識が役立つ」変え方をしなければ、お客さんを失います。
オフィスッキリ Plus Oneの新機能をリリースする際、これらを他山の石として、肝に銘じて開発をしなければならないなあと、改めて思うのです。
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